火縄銃
3年ぶりの開催となった『彦根の城まつり』に行きました。お目当ては、彦根鉄砲隊の演舞でしたが、その数分前に彦根消防団による梯子乗りを見学することが出来ました。勿怪の幸いでした。しかし、未だコロナ禍とあって全体の規模は若干縮小されていました。
井伊の赤揃えで登場した鉄砲隊。弾と火薬を銃口から込める、いわゆる形式上、前挿銃です。鉄砲隊員は、火皿に口薬を入れた後、火蓋を閉じ、火縄を火鋏に付けます。このあと、構えて、射撃のチャンスを狙います。そして、指揮官から「火蓋切れ」の号令がでたところで、火蓋を開ける、そして、「放てー」の命令で発射します。
写真は、向かって一番左の人が撃ったところですが、火縄から火皿に点火された瞬間で、まだ銃身の中の炸薬には発火していません。その後、炸薬に引火し爆発。銃身から火が飛び出しています。貴重な瞬間を捉えることが出来ました。
話は前後しますが、この、「火蓋を切る」とは、射撃の直前に、射撃体勢に入ることであり、それが転じて、「戦いが始まった」と言う意味になったと言われています。
ここで注意が必要なのは、よく『火蓋が切って落とされる』という使い方をされる方がいますが、これは、「火蓋を切る」と「幕を切って落とす」が混同した言い回し、誤用です。「幕を切って落とす」は、「はなばなしく物事を始める」「はじめて公開する」という意味の言葉。「火蓋」は、火縄銃の部品のことですから、戦いを始めるという意味なら、「火蓋を切る」とするのがふさわしいのです。火蓋を「切って落とす」と銃は使い物になりません。
うーん、痛そう。
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